離れていても安心。
便利な見守りサービス
核家族化が進み親と離れて暮らす方も増え、高齢者だけの家庭や独居の場合も少なくない。
遠距離介護を行っている方や、親のことが少し心配という方も多いのではないだろうか。
そういった場合に、安否確認や健康状態の確認をサポートする見守りサービスが今盛んになっている。
例えば、郵便局が行う見守りサービスは、毎月1回職員が訪問して状態を確認、家族に結果を報告するというもの。月1回30分で月額1,980円(税別)60分なら2,480円で利用できる。
毎日同じ時間に自動電話で確認するサービスも月額980円(税別)から行っている。
また、警備会社のALSOKでは、緊急事態の時に設置した非常ボタンを押せば駆けつけてくれるサービスを月額2,400円(税別、初期費用11,000円、初期費用0プランの場合は月額2,980円)で行っており、オプションとして空間センサーを設置して定期的にメールで連絡する見守りサービスを別途月額710円(税別、初期費用3,000円)で行っている。
その他にも様々な見守りサービスがいろいろな企業から提供されている。
毎日の給湯が安否確認に!
手軽な見守り”みまもりほっとライン i-POT”
象印マホービン株式会社は電気ポットを使った見守りサービス「みまもりほっとライン i-POT」を提供している。
大掛かりな機材の設置も必要なく、専用の電気ポットを使用するだけで手軽に利用出来る。
ポットには無線通信機が内蔵されており、ポットを使うとその使用情報がEメールで家族に通知されるという仕組み。
「おでかけボタン」を押すことで、外出と帰宅を家族に知らせることが出来る。
見守られる側の使用可能範囲はほぼ日本全国で、Eメールが受信できれば海外からも見守ることが可能だ。
ポットとしての機能も高齢者が使いやすく設計され、軽く押すだけの給湯ボタンやお湯が勝手に出ることがない「自動給湯ロック」、転倒時や傾斜時の湯漏れの防止などが備えられている。
象印マホービン株式会社の特機企画室 川久保さんは、
「20年近く前の開発当初、物を介して見守りが出来ないかと考えた時、当初は主力商品の炊飯ジャーと電気ポットの2つで開発を進めていました。
炊飯ジャーだと使用頻度にバラつきがあるのに対し、ポットの方は規則性がありお茶を飲む、薬、食事など、毎日の生活リズムが見えることから、見守りに最適なのではと考えました。
また、プライバシーを大事にできることもポットの長所です。お湯を注いでお茶を飲むという行為は、人に知られてもそれほど気になりませんので、お年寄りに抵抗感や違和感を与えません。」
と話す。
<取材協力 /象印マホービン株式会社 特機企画室 川久保 亮さん>
スカイプを使って直接対話!
お手頃サービス“見守りん”
直接対話をして見守りサービスを行うのは、株式会社エクセリーベが行うサービス“見守りん”だ。
産業カウンセラーを始めとする「傾聴の専門家」がスカイプを使って対話をし、毎週5分、月額1,000円から提供している。
スカイプを使うことでパソコンだけでなくタブレットでも利用でき、手頃な価格設定になっている。
担当者は全員、カウンセリング有資格者であるため、メンタルケアとしての効果も期待できる。
毎月届けられるレポートは安否や健康のことだけでなく、離れているとわからない生活の変化や最近始めた趣味なども含まれ、親子間の話題づくりにもなる。
この「見守りん」は、大京グループのサービス付き高齢者向け住宅“かがやきの季中野南台”に導入された。
株式会社エクセリーベの代表取締役 大橋さんは
「オンラインでのテレビ電話(スカイプ)を使うので部屋の様子や服装の変化、表情といった視覚的な変化も見ることができます。
全員カウンセラーの資格を持っている者が対応するのですが、利用する方からはよく話を聞いてくれるというお話をいただきます。
意外だったのは、家族だからこそ相談できない内容を我々に相談していただくことが想像以上に多いことです。
息子や娘に心配をかけてしまうかもしれないので、相談できず抱え込んでしまっていることを話していただくケースが多くみられます。
そういった情報をご家族に提供することで、いち早く変化に気付けたり、何か先に手を打つこともできます。
気軽に使って頂けるサービスとして、広がりを見せてきていると実感しています。」
と話す。
<取材協力 / 株式会社エクセリーベ 代表取締役CEO 大橋 稔さん>
見守りサービスでつなぐ親子愛と絆
ワシントンに住む女性は、遠く離れた千葉県に住む母親に“i-POT”を使ってもらうことで見守りを行っている。
母親の事を気に掛けつつも、遠方のため何も出来ないと悩んでいたところ、海外からでも母を見守ることができる“i-POT”を知り、利用を始めた。
オンラインサービスの「見守りん」は、外出する機会が減り誰とも話さずに過ごすことも多かったため毎、週1回話せることがいつも楽しみだという方や、話をする時はこれまでしなかった化粧を久しぶりにする方など、生活にハリが生まれている。
家族からはレポートにある内容から話題が生まれ、なかなかしづらかった電話をすることが増えたといわれることもある。
核家族化が進んだ今、親や家族への心配を解消してくれる“見守りサービス”は、必要不可欠なサービスだ。
独居の高齢者や遠距離介護も増え、今後はもっとこのニーズは増えるのは間違いない。
距離が遠いこと、家族だからこそ話す機会が少ないことを、見守りサービスによって解消することで、親子の絆を今まで以上に深めることができるのではないだろうか。
<関連動画>
ポットを使うだけ!手軽に見守りができる【i-PoT】を取材!!
取材日:(象印マホービン株式会社)2014年12月17日
(株式会社エクセリーベ) 2014年 4月20日
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